アルキメデスの大戦 五十六役を舘さんが熱演「最も演じたい人物だった」

 第二次世界大戦時の「戦艦大和建造」を巡る不正を“数学”で暴き、戦争を止めようとした男の物語を描いた映画「アルキメデスの大戦」が、7月26日に全国で公開されます。原作は同名漫画で、史実に基づいたフィクションです。
 この映画の中で、後に連合艦隊司令長官となる長岡出身の山本五十六が、大和建造に反対し天才数学者を海軍に招き入れる、物語のカギを握る人物として描かれています。
 国力の差から日米開戦に反対し、また次の戦争の主力を航空機であると誰よりも知り抜いていた五十六。今回、「最も演じたい人物の一人」と映画で五十六役を演じた俳優の舘ひろしさんに、五十六への熱い想いを聞きました。

人間性と国際性を紹介
山本五十六記念館

(呉服町1) ☎37・8001

 メイン展示は、ブーゲンビル島上空で撃墜され、戦死した際の搭乗機の翼。ほかにも、遺墨や郷土を想う直筆の書簡など、その人となりを感じさせる資料を多数展示しています。
 激動の時代に誇りを失わず、しなやかに、強い心で生きた五十六の人間性と国際性を、ぜひ感じてみてください。
開館時間=午前10時〜午後5時 料金=高校生以上500円、小・中学生200円 ※市内在住の小・中学生は無料

新たな視点で、五十六の複雑な
心境や真意に触れてほしい 

ー五十六を「男子ならぜひやってみたい」役と言っていました。

五十六の印象は、誰にでも思いやりのある紳士的な人物というものでした。偉い立場になっても答礼を徹底したり、戦死した部下の全員の名前を手帳に書いて供養していたといいます。
 今回、五十六役を演じるにあたって、作家・阿川弘之さんの著書「山本五十六」をもう一度読み直したんです。五十六の上司で、後に総理大臣も務めた米内(よない)光政に戦後、阿川さんがインタビューするんですね。そこで米内さんが一言。五十六を「お茶目ですね」って言うんですよ。凱旋パレードの時、観衆に向かってウインクをしたといいますからね。その一言が五十六を演じる上で、大きなキーワードになっています。紳士的な印象は崩さずに、茶目っ気を加える。そんな「新しい五十六」を演じられるのですから、何のためらいもなく、俳優人生で初めて髪型を坊主にしました(笑)。

ー五十六を演じる上で工夫した点は。

今回、菅田将暉くんが演じたのが、主人公で天才数学者の櫂直(かいただし)という人物です。大の軍人嫌いですが、天才的な数字の力が海軍に見込まれます。その櫂を引き込むキーマンが五十六です。
 監督の山崎貴さんからも、五十六の良い意味での“人たらし”の部分を全面に出してくれと要望があったんです。リーダー像としても人気の五十六のイメージを踏まえつつ、人の心を動かす五十六を表現したいと思いました。

ー最も印象に残っているシーンは。

真珠湾攻撃を語る五十六に、國村隼さん演じる海軍中将・永野修身(おさみ)から「君も軍人なのだな」と言われるシーンです。そこで表現したかったのは五十六の、“絶対に戦争をしてはいけない”と思っていても日米開戦が避けられないことを感じ、どこかで軍人として“準備を怠らない、戦うなら勝つしかない”という複雑な心境や真意で、特に注目してほしいです。

ー長岡は、太平洋戦争開戦の地・真珠湾があるホノルルと姉妹都市となり、平和交流を続けています。

戦争は、自国の状況や世界情勢などに対しても、当時の人たちが無知だったり情報が少なかったりしたことが引き起こしたものだと感じています。そういう意味でも、今長岡市が取り組んでいる、両市の子どもたちが一緒になって情報や想いを分かち合うことは、お互いに心から許し合える、つまり真の平和につながる素晴らしいことだと思います。
 映画を通じて、全国の人たちに五十六という人物をもっと知ってほしいです。そして、戦争が憎いもので、平和を考えてもらうきっかけになれば、大変うれしいです。
 最後に、この映画で長岡出身の山本五十六という大きな役をいただけて本当に光栄です。長岡のみなさんが誇りに思っている五十六をきちんと演じきれたかどうか、最も演じたい人物の一人でしたので、全力でやったつもりです。ぜひ劇場で見ていただきたいです。

舘ひろしさんサイン入り
ポスターを2人にプレゼント!

[応募方法]8月26日(月)(必着)までに、①住所②氏名③年代(30代など)④電話番号⑤市政だよりの感想をはがき〒940ー8501(住所記入不要)広報課(☎39・2202)、℻39・2272、Eメール inf-prd@city.nagaoka.lg.jpで 
※応募は市内在住の人で、1人1通まで。当選者には9月上旬ころに、広報課から連絡します

©2019「アルキメデスの大戦」製作委員会 ©三田紀房/講談社



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